Ulrich Teuffelとの邂逅 @NAMM2019Winter

ワタシが私淑しているギタールシアーにUlrich Teuffelという方がいらっしゃいます。

「誰?それ?」と思われる方も多いと思いますが、

彼のサイトをご覧になられれば、変わったギターが好きな方とか、

アンテナ張ってる方とかは、「ああ、あのヒトね!」って思っていただけるのでは。


Ulrich Teuffel


まぁ、彼のギターの中でも ”Bird Fish”と呼ばれるギターを見たときの衝撃と言ったら。

今現在、ワタシのメインのギターは8弦27インチスケールなのですが、

それに際して、

「いまのエレキギターの形は正しいのか?」

という疑問が常につきまとっていました。


若干、ベースに近い音域を出す楽器において、

「普通のギター」の形をしている8弦ギター。(そうでないのもあります)

しかし、ベースは6弦ベースなど低音域に弦が増えていくと、

ボディ形状が変わっていくのが多い中で、そうではない8弦、9弦ギター。


Ulrich Teuffelは別に8弦ギターを作ってはいませんし、

そういう意味では直接にワタシの問いに対する正解を持っているとは限りませんでした。


しかし、彼のギターは「普通のギター」から逸脱しているように見え、

そこに「彼なりの正解」を持っているように思えたのです。


とはいえ、当然のようにというか、ヘタレのワタシには、

彼にいきなりメールしていろいろと訊くなどということはできず。


この度、NAMMに訪れることができ、運良く彼も出展しており、

さらに彼のご厚意で、ワタシの稚拙な英語での質問に答えていただけました。


失礼な質問もありましたし、厚顔無恥とはこういう事を言うのか、と。


それを書き起こししておきたいと思います。

意訳ももちろんありますし、誤訳があるとは思われますし、

2回以上同じような質問した内容に関しては編集した上での内容ですが。


NAMMにおけるワタシの最大のトピックの一つでしたので。


ーあなたのギターはとてもユニークです。

 特に”Bird Fish”については現在は作られていないようですが、

 それらは「いままでのギター」に対するアンチテーゼなのでしょうか?


いや、そんなことはないですよ。

アンチテーゼではない。

私が欲しい、良いと思うギターをデザインし、製作しただけです。


ーワタシは8弦27インチスケールのギターを主に使用しますが

 つねに疑問に思っているのですが、ストラトキャスター的、

 もしくはレスポール的、ジャクソンのソロイスト的なギターの形状が

 本当に正しいのでしょうか?

 ベースにおいては非常に様々な形状が試されているように見えるのですが。


私は7弦ギターは作りますが、8弦ギターは作ってはいません。

7弦ギターは6弦ギターの延長線上にあると思います。

8弦ギターが完全にその同じ延長線上にあるかどうかはわかりませんが。


ーストラトキャスターがデザインされて約65年ですが、

 あのデザインが最初から正しかったと言えるのでしょうか?

 アップデートがほとんどされていないのですが。


そうですね。

でも、例えばあなたが履いているデニム。

それは基本的にはリーバイスのデニムと同じですよね。伝統的な。

私の履いているコーデュロイのパンツも同じような形状ですが。

だとすれば機能として同じものを求めている以上、

同じような形状であっても不思議ではないですよね。


私はレオ・フェンダーの友達です。

ストラトキャスターは非常に良いギターですし、私もそれを好みます。


半世紀以上人気のあるギターということは

多くのギタリストがそれを使用してきたということであり、

それが「一般的な形状である」と認識されたということです。

普通のギタリストは、その「一般的な形状」からギターを弾き始めます。

その延長線上に、彼らの「より良いギター」はあるのです。


”Bird Fish”は私にとって、「欲しいギター」ですし、「良い音を出すギター」です。

しかし、それは一般的なニーズとは異なり、非常にニッチなものです。


もちろん、あなたの国のSugizoは使ってくれているので、

共感してくださる方が存在します。


しかし、「ギターの音」というのは

ある方面において最終的にはギタリストが出す音であり、

ギターが出す音ではないと思っています。


別の方面においてはピックアップやエフェクターやアンプが出す音ともいえます。


では「いいギター」とはなにか。

それは弾きやすいことです。

ネックシェイプや、ストラップでぶら下げたときのバランスなどなど。

あとは丈夫であること。信頼されるギターであること。


特殊な形状のギターは目を引きます。

でも、ギタリストは「いままでのギター」に慣れているので、

「そういうギター」を弾きやすいとか、進んで使いたいとはあまり思わないでしょう。


あなたの疑問は、ある意味正しいと思います。

しかし、「正しいギターの形」はギタリストが決めるのです。


「この形状だからいい音がする」

「この素材だからいい音がする」

というのはあるかもしれません。


でも、その「いい音」を決めるのもギタリストです。


Strandbergはうまくやったと思います。


(2019.02.01においての書き起こし終了)


途中からワタシの質問が消えてしまいましたが、

同じような質問を繰り返し繰り返ししていたので、

(面倒くせえやつだな、と自分でも思いました)

割愛というか(そんな大したことじゃない)、削除しました。


すごく腑に落ちたのは、

ワタシが欲しいギターなら、ワタシの好きなように作ればいい。


しかし、相手がいるギター製作においては、

そこに自分のこだわりというのは外せる程度のものなら外してもいい。


なぜなら、相手にとってそこが「些細なもの」である場合に、

自分にとって「そこまで重要でないもの」に拘泥するのは無意味だから。


もちろん自分の欲しいギターを作ったら、

それに共感してくれるギタリストもいるかも知れない。

だから、それはそれで作ったほうがいい。

という話でした。(上で明記してない部分でもあります)


まぁ、ワタシも含めて、日本人はスペック狂いなので、

「こういう材」と「こういうピックアップ」と「こういう形状」は「こういう音」だ。

だから「こういうギター」が欲しい。

ってな感じがあるんですけどね。


それぞれの弾き手においては正しいかなと思いますけど。

誰かにいわれたものをそのまま鵜呑みにしてそういう価値観でいるとマズイな。

とは思います。


まぁ、上記したものは全てではないですし。

もしかしたら誤訳しているかもしれませんので。


何かの機会や、他に確認できたことがあれば、アップデートするかもしれません。

それでは。

ジャズの定番曲から学ぶ音楽理論らしきもの

「JAZZ STANDARD BIBLE」掲載曲を用いた ギター教室で習ったことをまとめていくブログです。 機材などなどの投稿も予定していますが、 音楽理論的な投稿は基本ギター教室で習ったあとにその内容を投稿しますので、 一週間に一度程度の更新予定です。 (初期は基本理論の部分で頻度は少し増えるかもしれません)

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